コラム
- 2016/07/11
- 院長コラム
Del-1分子が歯周の炎症反応を抑制。 慢性炎症性疾患の治療に有効か。
歯周病は歯を失う最大の要因で、全身新刊へ波及する炎症疾患だが、未だに有効な治療法は確率されていない。
そんな中、新潟大学院 医歯学総合研究科 高度口腔機能教育研究センターが、体内で分泌されるDel-1という分子が歯周病の治療に有効であることを発表した。
今回の研究では、Del-1が炎症反応を抑制することに加え、骨を溶かす破骨細胞の活性化と分化も抑制することが明らかになった。
さらに、Del-1を歯周炎のサルに投与したところ、患部組織の炎症を抑え、破骨細胞の数を減らすことにも成功した。
また、老化防止などに有効とされるオメガ3脂肪酸などからできるレゾルビンを投与すると、体内でDel-1が多く産生されることも判明。
このレゾルビン投与によるDel-1誘導法は、歯周病だけでなく多発性酸化症や強直性脊椎炎などの慢性炎症性疾患の治療基盤となる可能性も示唆された。
副作用のことを考えると、体内で作られるDel-1によって炎症や骨破壊を抑えられるのは安全性の面で意識が大きい。
全身の様々な疾患とも関連が大きい歯周病を抑制する分子が発見されたことは、健康寿命の証拠に繋がることが期待される。
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