コラム
- 2017/02/13
- 院長コラム
デンタルフロスのう蝕、歯周病予防効果。エビデンスが実証されていないと判明。
齲蝕や歯周病の予防に効果があるとされ、歯科業界でも推奨されてきたデンタルフロス。しかし、アメリカAP通信による調査で、その効果を裏付ける十分なエビデンスがないということがわかった。AP通信は過去10年間に実施された25件の研究データについて調査。その結果、どの研究もデンタルフロスの効果を実証するエビデンスが弱く、バイアスが生じている可能性も高いと発表した。
アメリカ政界は1979年により口腔健康を維持するためにデンタルフロスを推奨する見解を示し、食生活に関するガイドラインも掲載してきた。しかし、この調査を受けてか、保健福祉省、農商務省は改訂版の食生活方針によるデンタルフロスの項目を削除している。
アメリカ歯周病学会は、デンタルフロスの効果に科学的根拠が乏しいことを認める一方で、「歯ブラシだけでは歯間部の汚れを十分に取り除くことができない」と、歯ブラシとデンタルフロスの併用を推奨。また、アメリカ歯科医師会は、研究の対象者を含め多くの人がデンタルフロスを正しく使用していないからだと指摘している。
もちろんAP通信の記事は、デンタルフロスの効果を否定しているわけではなく、それを証明する論文の疫学的根拠が低いと言っているにすぎない。実際、効果を実感しているという使用者も多数存在し、使用している歯科医師が多いことも事実だ。ただし、科学的な根拠が不足していることは確か。今後の検証が求められる。
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